【食のトレンドレポート Vol.3】より抄録 | “不易”のキーワードにみる 「朝」の「微変化」という生活価値。

“不易”のキーワードにみる「朝」の「微変化」という生活価値。

  • “パンの気分”は“不易”のスイッチ
  • 「朝」というTPOは見逃せない!
  • “不易”の中での12月の位置とは?
  • 「朝」の「微変化」をさらに追跡

“パンの気分”は“不易”のスイッチ

ホットサンド

パンの食べ方、作り方に求められるのは「微変化」への欲求である。食のトレンドをつかむ上で、これは重要な視点となる。

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パンの食べ方、あるいは作り方のバリエーションに、そんなに「調べる」という工夫が欲求されるものなのだろうか。この不思議さにはちゃんとした生活の価値観の根拠が存在している。

詳しいことは後に述べることになるが、結論的なキーワードを先に言えば“微妙な”変化、「微変化」の欲求なのである。食に限らず、生活の欲求の一つに、いつもとは少し異なったこと、「微変化」の一工夫、演出があるということは重要な視点である。

「朝」というTPOは見逃せない!

さらに年間を通じてあまり変わりなく「気になる」スイッチを押し続けるテーマを探してみると「朝ごはん・お弁当群」というかたまりがあることがわかる。「朝ごはん」「朝食」「お弁当」「卵焼き」という4 つのキーワードを一つの群としてみておいた。この一群も年間600キーワードの中で43 回も登場している。

ところが、パンに関する8 つの検索ワードと比較してみると、この一群は12 月というクリスマスシーズンでもさほどその影響を受けずに変化せずに登場してくるというのが特徴といえる。
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“不易”の中での12月の位置とは?

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蛇足ではあるが、「お弁当」と並んで類似キーワードに「キャラ弁」がある。これも年間を通じて12月以外はほぼ登場する。3月、5月あたりではベスト1にあがってくる。季節的には納得できる気がしてくる。そんな「キャラ弁」ですら12月にはベスト50から落ちてしまう。

12月というオケージョンは全く別のことを仮説立てておかなくてはならないのだろう。また、「キャラ弁」というテーマは、「飼育員さん」前期にのみ浮上してくるオケージョンであり、この点は別の視点を用意しておかないと生活全体、生活者全体の可視化をミスしてしまうことになる。そして、12月、クリスマスシーズンというのも「飼育員さん」前期だからこそさらに特異性を帯びているのかもしれない。

「朝」の「微変化」をさらに追跡

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「朝ごはん」、「朝食」、「パン」、「食パン」などといった、まさに一般名称に過ぎないものが、何故〈気になる〉スイッチを押すことになるのだろうか。

すでに、「朝」の「微変化」といったような“気づき”のキーワードを述べてきた。このような“気づき”を作り出していくことがトレンドというものを見る意味である。

こんな“気づき”や仮説をチェックするためにはもう一つ分析のレイヤーを深くしていく必要がある。ここまでの分析レイヤーは、月別、検索ランキング上位50といったレベルであるが、この〈気になる〉スイッチがいつ押されたのかをもう少し詳細にみると、さらに新しい発見があったりする。

執筆:辻中 俊樹(マーケティングプロデューサー)


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