「微変化」を生み出す「トースト」での「一工夫」。
- 「休日の朝」という〈きっかけ〉スイッチ
- 「フレンチトースト」が〈気になる〉
- 「一工夫」することの価値!
- トーストの〈気になる〉スイッチとは?
「休日の朝」という〈きっかけ〉スイッチ
「朝」の「微変化」という生活価値をさらに深堀りしていくために、まず「フレンチトースト・ホットケーキ群」に注目してみよう。1週間の中での検索の波動、つまり〈気になる〉スイッチの押されるパターンをみると、明らかに「土、日曜」パターンであることがわかる。
つまり、食を意識した際に「フレンチトースト・パンケーキ群」のことが〈気になる〉のは「土、日曜」というウィークエンドのオケージョンであることがわかる。もう少し正確にいえば「休日」オケージョンだということになる。
たとえば2015年9月でいえば、シルバーウィークの5連休すべての日付で、この群が〈気になる〉スイッチを押していることがわかる。
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「フレンチトースト」が〈気になる〉
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「朝」の「微変化」の欲求が、最もクリアに現れるのはやはり休日の朝なのである。そして、いつもとは少し違った朝食として、普段とは異なった「フレンチトースト群」が想起され選ばれるのだ。
つまり、この〈気になる〉スイッチの前に休日の朝という〈きっかけ〉スイッチが入ったのである。
因みに、平日と休日のスイッチの入り方の差異が9月は極めてハッキリとしていたのに対して、7月の中旬から8月ではその差異が比較的近似化していた。フレンチトーストなどはほとんど平日と休日の差がなくなり平準的に登場し、なおかつベスト50の中で5位にまでランキングを上げている(7月は11位、9月は13位)。
これは子供たちが夏休みに入り、「休日」タイプのオケージョンが連続してくることが背景にあるといえる。
「一工夫」することの価値!
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「休日の朝」が「微変化」の〈きっかけ〉スイッチを押しているという事実は、決してそんなに目新しいことではない。「休日の朝」はブランチという言葉に代表されるように平日の朝とは異なった価値観が浮上することは当然ともいえる。
ところが、重要なのは決して「大変化」を欲求している訳ではなく、同じく「パンな気分」ではあるけれど、フレンチトースト、サンドイッチといった少しだけ普段とは異なったものを想起するということがポイントなのである。ディテールをみていると、平日はチーズサンドだったものがフルーツサンドに変わるといったように。「一工夫」の楽しさということだ。
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トーストの〈気になる〉スイッチとは?
ところがこの「トースト群」の中でトーストだけは、全く正反対の傾向がみられる。決定的に平日というオケージョンがこの〈気になる〉スイッチを押している。
つまり、トーストに限ってみれば「休日の朝」という〈きっかけ〉スイッチも、〈気になる〉スイッチも全く作動しないのである。逆に「平日」に限ってのみ〈気になる〉スイッチにつながる〈きっかけ〉があるといっていい。
それを見るためには、まず「トースト」が〈気になり〉、実際に何を〈調べて〉いるのかというところが仮説立てになる。私たちからみればトーストはトーストに過ぎないということになるのだが、この先で調べているポイントは、たとえば「納豆トースト」であり、「ツナマヨトースト」であり、「チーズベーコントースト」といったものになっている。
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