節分の食の代名詞となった巻き寿司・太巻きは全体として増加傾向にありますが、その中でも二つのトレンドがみられました。一つはキンパ（韓国ののり巻きでキムパプともいわれます）がここ数年増加傾向にあること。キンパは豚肉や牛肉を使った海苔巻きで、韓国ではファストフードとして定着しています。節分の巻寿司としてスーパーで「キンパ太巻」としてもPRされているため家庭でも作る人が増えているとみられます。もう一つのトレンドは手巻き寿司が増加傾向にあることです。手巻き寿司は2012年頃から節分の使用頻度も増加傾向にあるとみられます。ちらし寿司は圧倒的に3月の桃の節句の需要が多いといえそうです。
かなり小さな動きではありますが、恵方巻きにけんちん汁を合わせる傾向もみられます。googleトレンドで見ると、ひな祭りが「ちらし寿司+お吸い物」となっているのに対し「恵方巻き+けんちん汁」との訴求も考えられます。
2015年はバレンタインのキーワードの増加に合わせて、チョコ、生チョコ、ガトーショコラ、ホットケーキミックス、フォンダンショコラ、トリュフ、ブラウニー、クッキー、マカロン、パウンドケーキ、ティラミス、カスタードクリーム、カップケーキ、タルト、チーズケーキが増加しています。特にチーズケーキは根強く、チョコレート菓子ではガトーショコラの人気が高くなっています。チョコレートや生チョコを主軸に考える一方で、近年、クッキー、タルト、パウンドケーキの人気が上昇しているのは、ホットケーキミックスや炊飯器、ホームベーカリー等を使って焼き菓子がより手づくりしやすくなったことも人気の高さの理由とみられます。一方、難易度の高いマカロンを数回失敗しながら手づくりしているユーザーも多く、クオリティの高い手作り菓子に挑戦するシーンも見られます。
スイーツのためのイベントとも言えるバレンタインですが、年間を通してスイーツ全般が増加傾向に入るのは10月です。理由として市民権を得たハロウィンの影響が大きく、家庭で作りやすいクッキーやパウンドケーキなどはハロウィン〜クリスマス〜バレンタインと連続して作られていることがわかります。普段から作られているクッキーやパウンドケーキですが、イベント向けにはより特別感を演出できるような素材やレシピなどが受け入れられる余地は十分あると考えられます。
レシピサイト人気キーワードを指数化（期間：2015年1月14日〜2月13日）
お正月の最大のキーワードはおせち料理とお雑煮、餅です。クリスマス翌日から12月31日にかけて増加します。
キーワードとしてはお節料理、餅、おせち、伊達巻、お雑煮、お正月などがあります。また、もち、かまぼこ、黒豆、栗きんとん、紅白なます、田作りなどの他、冬至、年越しそば、大晦日、七草粥、鏡開きなどの年末年始のキーワードも出現します。
クリスマスに押され「おせち」のピークは12/25〜集中して高まります。その後「お雑煮」が高まり、余った「餅」の消費に関心が移ります
■2013年
登場時期：2013年11月2日〜2014年1月3日
ピーク時期：2013年12月26日〜31日
筑前煮（煮しめ）はおせち料理のなかでも年間を通した増減が比較的少ない料理です
伊達巻ははんぺんと卵を使って手づくりする人も多いレシピですがお正月の利用にとどまっています
紅白なますはおせちだけでなく、お食い初めにも使われています
