平日に需要が伸びる旬野菜
旬野菜は全体の傾向として平日に需要が伸びます。主に夕食として調理されますが、その料理は高い頻度でストックされ、翌日の朝食や翌日の弁当で再び登場します。さらに冷凍保存されるケースも多く、旬野菜は日常の食事を組立てるための主力素材となっています。その理由として旬野菜は「新鮮=美味しい・栄養価が高い」「入手が容易」「価格が安い」などがあげられます。
旬野菜は大量消費のニーズも多い
旬野菜の入手先としては、自家栽培やもらいもの(田舎から送られてくる)も多く、大量消費のニーズが高いのも特徴といえます。また、夏のゴーヤ(緑のカーテンの収穫)やさつま芋(子どもの芋掘り)などのイベントに合わせて大量消費のニーズが上がる傾向もみられます。
旬野菜と健康の関連性
旬野菜を食べることは、季節病への対応にも関係しています。例として、夏のゴーヤはビタミンCを豊富に含んでおり、夏バテ対策の効果を求めての需要も増加します。秋には高エネルギーで食物繊維豊富なさつま芋が新陳代謝を高め、冬には大根の酵素類が食べ過ぎによる胃もたれや胸やけに効果的に働きます。旬野菜を積極的に食事に取り入れることは、季節病を予防するために理にかなっているという考えが浸透している結果とみることもできます。
根強い和食としての食べ方とアレンジマヨネーズ
旬野菜は、ある季節に集中して消費するため、調理が単調になりがちです。そのなかでも、飽きのこない調理法として、炊き込みご飯、炒め物、おひたし、煮浸し、煮物、和え物などの定番の和食には根強い人気があります。また、「マヨネーズ+オイスターソース=オイマヨ」「マヨネーズ+醤油=醤油マヨ」「マヨネーズ+味噌=味噌マヨ」「マヨネーズ+めんつゆ=つゆマヨ」「マヨネーズ+マスタード=マスマヨ」などのマヨネーズのアレンジソースも野菜に合わせやすい調味料とされています。スープでは味噌、鶏ガラスープ、コンソメなどがありますが全体的には中華風の人気が高くなっています。
春と秋は惣菜・炊き込み、夏はサラダ・マリネ、冬は煮込み・鍋
春の「たけのこご飯」、秋の「さつま芋ご飯」や「栗ごはん」は旬の素材が登場する時期の前半に人気度が上がります。その年の初ものを楽しむには炊き込みご飯がシンプルという理由の他、夕食・弁当・冷凍保存と使い回しができることも人気が高まる理由です。春と秋には季節性から外出頻度が高まるため、弁当に使用できる惣菜(和惣菜や中華惣菜)の需要が高まる傾向にあります。また、夏にサラダやマリネなど冷製料理の需要が高まるのは、生野菜やレンジにかけた野菜に、合わせ調味料調理を回しかけるだけなど、調理が簡単であることもニーズが高まる理由といえます。それに対し、冬は煮込み料理や鍋の需要が高まります。季節に合わせた食べ方が確立されているのも、旬の野菜ならではといえるのではないでしょうか。